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2012年8月13日月曜日

5人揃って「チーム衣笠」

左から、佐野かず江(主任介護支援専門員・看護師)黒崎香(医療ソーシャルワーカー)・中央:筆者・青柳美美(事務担当)・大川内淑恵(介護支援専門員・看護師)

 病気や障がいを持ちながら自宅や施設で生活する方がどんどん増えています。
 そのような方々が安心して安全に心地よく生活を続けるためには、医療・福祉・保健の連携が必須です。様々な事業所の様々な職種が関わりながらそのような方々の生活を支えています。在宅療養の現場は「連携」なくしては成り立ちません。そのような在宅ケアの連携を強めるため、衣笠病院グループでは厚生労働省の委託事業である在宅医療連携拠点事業を行うこ
とになりました。
 この事業では連携に関わる様々な事業を行います。①連携に伴う課題をどうやって解決するか多職種で考えます②二十四時間対応している在宅医療の従事者の負担を軽くします③多職種連携するために必要な仕組みづくりをします④地域住民へ在宅医療について紹介します⑤在宅チーム医療についての研修を行います。
 わたしたちは様々な事業を持っている強みを生かして横須賀で在宅ケアを行なっているグループ内外の事業所と連携を広め、深めます。また、お互い顔のみえる連携が続け、成果が見えるようにこの事業を計画しています。そして、病気や障がいを持った方が希望する場所で希望するように療養できる環境づくりを行います。
 この事業を行うためにチーム衣笠という5人のチームを結成しました。5人組と言えば「ゴレンジャー」や「嵐」が思い起こされますが、横須賀の在宅医療連携5人組と言えば「チーム衣笠」となるようにがんばります!

社会福祉法人日本医療伝道会在宅医療連携拠点事業担当者

「多職種連携」に思う


栄養サポートチーム(NST)は今日全国の病院に広く普及しています。高カロリー輸液の登場により、1970年代初頭に米国で始まったNST活動は、かつては日本ではごく一部の病院でしか行われていませんでしたが、2000年以降、有効性、安全性、経済性などからその重要性が認識されるようになり、やがて多くの施設で取り組まれるようになりました。低栄養患者の栄養管理を多職種が寄り集まって、院内を横断的に活動するというNST活動は、それまでセクショナリズム色の強かった医療現場に風穴を開ける新しい診療機能となりました。
 これまで医師は他職種から介入されることを好まず、各職種もそれぞれが専門性、独立性を重んじてきたように思います。NSTはその殻を一気に破り、医師、看護師とともに管理栄養士、薬剤師、リハビリ・スタッフ、検査技師らコメディカルの人達が病棟に上がり、手をつなぎ、生きいきとして低栄養の改善に取り組み、着実に成果を挙げてきました。この多職種連携による栄養管理のチーム医療は日本静脈経腸栄養学会がNST設立の後押しをし、2005年には医療保険の栄養管理実施加算で制度として認められ、日本病院機能評価機構のVer5(2005年)の評価項目としても取り上げられることとなりました。今日、褥瘡対策チーム、感染対策チーム、緩和ケアチーム、摂食嚥下チームなど各種の医療チームがよく見受けられるようになりましたが、NSTはそのはしりだったように思います。チーム医療といっても、かつては医師中心型の古典的な診療形態にとどまっていましたが、ここ10年位前より多職種が連携することの大切さに臨床現場は目覚め、様々な場面でそれが根付いてきたのではないでしょうか。厚労省で進められているチーム医療の推進に関する検討会報告書には、「チーム医療とは『医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること』と一般的には理解されている」と書かれています。
 今後、益々ニーズの高くなる在宅医療ですが、入院患者に向けられたチーム医療と同様に各職種同士、あるいは他職種間の協働による多職種の「手をつなぐ」取り組みは、在宅の患者さんへの大きな支えとなるでしょう。
 社会福祉法人日本医療伝道会病院長鈴木博

在宅医療連携拠点事業を進めるにあたって


 高齢社会の到来、医療技術の向上など医療環境の変化、医療や福祉サービスに対するニーズの多様化など、保健医療福祉を取り巻く社会環境が大きく変化する中、在宅における医療や福祉サービスの必要性が大きくクローズアップされてきました。そして在宅医療を効果的に進めるために、保健・医療・福祉サービスが、連携し総合的に提供されることが重
要であるとの認識が高まってきました。
 医療現場では、医師を中心にチーム医療が実施され、また福祉の現場においても、ケアマネージャーや介護士達が集まりケースカンファレンスを持って、情報交換を行うなどサービスの連携を図ろうと努力していることは、周知のとおりです。しかしながら本当に患者や利用者が必要としているサービスが提供されているかどうかは、まだまだ課題が多く残っていると思われます。幸い今回、厚生労働省が平成24年度事業として予算化された「在宅医療連携拠点事業」を受諾することが出来ました。
 事業を実施するにあたり、多業種の担当者が専門職の枠を超えて連携することは勿論ですが、常にサービスの受け手で
ある患者さんや利用者の方々も中心に置き、人間の尊厳を忘れない在宅医療のシステムづくりにしていかなければならないと考えています。

社会福祉法人日本医療伝道会理事長室谷千英